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CO2排出量はどれくらい?測定方法や増えている要因を解説

温室効果ガスを排出する工場とCO2の注意喚起の看板

温暖化が地球規模で深刻な問題となっており、その影響は生態系や人類の生活に大きな打撃を与えています。未来に向けて持続可能な社会を実現するには、温暖化対策や脱炭素の取り組みが欠かせません。

温暖化対策を行うには、日本や世界でどのくらいCO2が排出されているのかを知ることも大切です。この記事では、CO2排出量や測定方法、CO2増加の要因について解説します。温暖化対策への理解を深め、具体的なアクションにつなげましょう。

CO2排出量とは?

二酸化炭素を排出する工場の煙突

CO2は二酸化炭素の略称であり、CO2排出量とはその名の通り排出された二酸化炭素の量をさします。二酸化炭素は温室効果ガスの一種であり、地球温暖化を促進させる主要な要因の一つです。ほかの温室効果ガスにはメタン、一酸化二窒素、代替フロンなどがあります。

温室効果ガスの排出量において、圧倒的な割合を占めているのがCO2です。

2020年度の温室効果ガスの排出量内訳によれば、二酸化炭素が90.8%、次いでハイドロフルオロカーボン類(HFCs)が4.5%、メタン(CH4)が2.5%、一酸化二窒素(N2O)が1.7%、パーフルオロカーボン類(PFCs)が0.3%、六フッ化硫黄(SF6)が0.2%、三フッ化窒素(NF3)が0.03%でした。

このように、二酸化炭素が温室効果ガスの排出量の大半を占めているため、CO2排出量の削減が地球温暖化対策の重要な要素となっています。

CO2排出量の測定方法

CO2のメーター

そもそも目に見えないCO2の排出量はどうやって測定されているのでしょうか。CO2排出量の測定方法には、2種類の考え方があります。一つは「生産ベース」、もう一つが「消費ベース」です。ここからは、これらの測定方法について、それぞれ詳しく解説します。

生産ベース

CO2排出量を測る方法の一つは「生産ベース」です。これは、国内で使われたガソリンや電気の量に、どれだけCO2が出るかの「排出係数」をかけて計算します。つまり、国内で石油を燃やしたり、電気を使ったりしたときに出るCO2を数える方法です。

しかし、この方法だと先進国のCO2排出量が減っているように見える一方で、新興国の排出量が増えているように見えることがありますこれは近年、製品がさまざまな国で生産される国際分業が普及したためです。

企業はコストの安価な国へ調達先を求めたり、製造現場を移転したりするようになりました。製品の生産が安く済む国に移ることで、CO2の出どころは企業の本社がある国ではなく、移転先の国になってしまうのです。

消費ベース

前述の通り、生産ベースの考え方だけでは、CO2排出量の実態を正確に反映できません。そこで、経済協力開発機構(OECD)などが「消費ベース」という考え方を提言しています。

消費ベースは、製品が生産された際に排出されたCO2を、その製品が最終的に消費される国の排出量としてカウントする考え方です。これにより、エネルギー使用の実態がより明確になることが期待されます。

ただし、消費ベースで計算するためには精密なデータが必要です。実際にこの方法で行うと、統計には5年もの時間がかかってしまいます。そのため、現実的な方法ではありません。結局、直近のCO2排出量の推移を追うために、従来の生産ベースに頼っているのが現状です。

日本と世界のCO2排出量

CO2排出量が多い国々

日本の2020年度のCO2排出量は、前年度比で5.1%減少、2013年度比で18.4%減少しました。温室効果ガス削減に向けて進んでいることが示されています。

もっとも比重を占めるCO2排出源は産業部門、次いで運輸部門です。これからも各業界で、CO2削減技術や省エネルギーの取り組みが重視されます。

世界にも目を向けてみましょう。2020年の世界全体のエネルギー起源CO2排出量は、約317億トンに達しました。そのうち、G20諸国の排出量は257億トンで、世界全体の約81%を占めており、主要国の役割が大きいといえます。

国別のCO2排出量を見ると、中国が1位で31.8%の割合を占めています。次いでアメリカが13.4%で2位、EU27か国も合計で13.4%でした。

日本は世界全体の3.1%で6位となっており、排出量は減少傾向にあるものの、さらなる削減が求められています。

CO2排出量が増えている要因

破壊された森林

CO2排出量が増えている要因は主に2つあります。1つ目は、生活の中で化石燃料が大量に使われていることです。化石燃料とは、石油、石炭、天然ガスなどの燃焼資源で、燃やすと二酸化炭素が発生します。

2021年度の日本のエネルギー供給の割合によると、化石燃料による火力発電は72.9%でした。私たちが普段使っている電気やガソリンは、大量の二酸化炭素の排出に繋がっています。

2つ目の原因は、森林面積が減少していることです。森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出するため、地球温暖化防止に役立っています。しかし伐採や火災などにより、現在も世界の森林面積は減少中です。

1990年から2020年の30年間では、世界の森林面積が約1億7800万ha失われました。

CO2排出量低減には企業や一人ひとりの取り組みが重要

CO2が減少するグラフ

CO2排出量は先進国では減少傾向、新興国では増加傾向にあるものの、全体の量はいまだに先進国が多く占めています。

地球温暖化対策のため、日本も継続的な対策が必要です。このような状況の中では、企業や個人が積極的にCO2排出量の削減に取り組む必要があります。

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