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COP25とは?概要とメイントピックスからCOPの基本まで解説

COP25は地球温暖化対策について話し合う国際的な会議のひとつです。2019年12月2日から15日にかけて開催されました。当初の予定よりも会期が2日延長されたCOP25では、どのようなトピックスが上がり、どのような結論となったのでしょうか。

この記事では、COP25の概要や主な議題を解説します。

COP25(気候変動枠組条約第25回締約国会議)とは

条約を締結する人々と地球

COP25(気候変動枠組条約第25回締約国会議)は、地球温暖化対策について話し合う国連の国際会議です。2019年12月2日から15日まで、スペインのマドリードにて開催されました。

議題は、翌2020年からスタートする、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の運用ルールなどについてです。ここでは京都議定書第15回締約国会議(CMP15)及び第2回パリ協定締約国会合(CMA2)も行われました。

COP25は本来13日に閉会する予定でしたが、最終日までに各国の意見がまとまらず、会期が15日まで延長された背景があります。しかしながら各国の対立は解けず、パリ協定の運用ルールなどに関しては合意に至らないまま、閉会を迎えました。

COPと国連気候変動枠組条約(UNFCCC)

そもそもCOPとは「Conference of the Parties(締約国会議)」の頭文字を取った略称です。COPがスタートした背景には、1992年のリオデジャネイロにおける地球サミットから署名が始まった「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」があります。

UNFCCCとは気候変動問題に関する条約で、197カ国・地域が締結や参加を表明しました。これ以降、UNFCCCの締約国会議が定期的に開催されることとなります。この締約国会議がCOPです。

第1回目の締約国会議であるCOP1は、1995年、ドイツのベルリンで開催されました。2015年にはフランスのパリにて、21回目の締約国会議であるCOP21が開催。ここで、発展国と途上国を問わず、温室効果ガスの削減に取り組むための「パリ協定」が採択されました。

2019年には本記事で紹介しているCOP25が開催され、翌年にCOP26が開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの流行により、2021年にずれ込みました。2022年11月にはエジプトにて、COP27が開催されています。

COP25のメイントピックス

美しい地球と緑の木

2019年に開催されたCOP25では、2022年に発効するパリ協定の運用ルールを始め、さまざまな議題が上がりました。主要なトピックスは以下の3点です。

1.パリ協定6条(市場メカニズム)
2.2030年の削減目標の見直し
3.ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失及び損害)

ここでそれぞれの議題を解説します。

パリ協定6条(市場メカニズム)

COP25にて論点となったパリ協定の運用ルールのひとつが、パリ協定第6条に基づく「市場メカニズム」の実施指針でした。結論を先に述べると、COP25ではこの合意ができず、議論はCOP26に持ち越しとなりました。

そもそも市場メカニズムとは、温室効果ガスの排出について、先進国が発展途上国を支援して削減した量を「クレジット」とし、自国の削減量としてカウントできる仕組みです。

この市場メカニズムに関する運用ルールの策定を誤ると、温室効果ガスの削減量や各国の削減目標に抜け穴が生じ、正しいカウントができなくなってしまいます。これには各国の利害も絡んでいて、COP25では対立が解けず、合意にいたることができませんでした。

2030年の削減目標の見直し

COP25では、パリ協定で設定された「1.5℃目標」の見直しも議題となりました。

▼1.5℃目標とは

産業革命以前に比べて、世界の平均気温の上昇を2℃以下に、できる限り1.5℃に抑えるという目標

引用元:環境省|1.5℃|eco scope | ecojin(エコジン)

しかし、パリ協定で提出された各国の目標のままだと、世界の平均気温は3度の上昇が見込まれています。このままだと平均気温の上昇を1.5℃どころか、2℃に抑えることも困難です。

この状況を受けて、各国が2030年の削減目標を引き上げるべく、全ての国に対して目標の見直しを求める国々もありました。しかしながら最終合意文書では、目標見直しは推奨に留まり、強く求める表現は見られませんでした。

ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失及び損害)

地球温暖化による海面上昇などの影響は、大西洋や西インド諸島、インド洋などの島国へ被害をもたらしています。被害を受けている小島嶼国(しょうとうしょうこく)からは、COP25にて金銭的な補填が求められました。

具体的には、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の配下にある組織「WIM(ワルシャワ国際メカニズム)」による補填を、国際基金のひとつである「緑の気候基金(GCF)」へ求めた形です。しかしCOP25では「既存の枠組の中で検討を続ける」という決定となりました。

COP25に関連したトピックス

環境デモを行う人々

COP25の会期中は、交渉の外でもさまざまな出来事が起こりました。特に世界的にも注目を浴びたトピックスが以下の3つです。

気候変動に対する市民の関心の高まり
日本が化石賞を受賞
アメリカのパリ協定離脱表明

ここでそれぞれの出来事について解説します。

気候変動に対する市民の関心の高まり

COP25の開催年である2019年は、世界中で異常気象が観測された年でもあります。世界各地で発生した洪水や干ばつ、熱波、台風などを受けて、気候危機や気候非常事態に対する人々の関心は高まりました。

それを背景に声を挙げた人々も大勢います。COP25の会期中、スペインのマドリードでは気候マーチと呼ばれる行進が行われました。50万人もの市民やNGOがこれに参加したといわれています。COP25に参加した、当時16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんも、このマーチの参加者へスピーチをしました。

日本が化石賞を受賞

COP25の会期中は、日本が2度も化石賞を受賞したことも話題となりました。

化石賞とは、地球温暖化対策に対して後ろ向きな姿勢であり、足を引っ張ると思われる国へ与えられる不名誉な賞です。化石賞の主催は気候変動NGOネットワーク「Climate Action Network(CAN)」であり、世界各地のNGOが受賞者を決めています。

COP25において2度も化石賞を受賞した理由は、日本の石炭火力発電に対する姿勢が原因です。

1度目の受賞は、梶山弘志経済産業大臣が「石炭火力発電などの化石燃料発電所は選択肢のひとつとして残していきたい」と発言したことに対してでした。2度目の受賞は、小泉進次郎環境大臣が温室効果ガス削減に対して、意欲的な姿勢を示さなかったためでした。

アメリカがパリ協定を離脱表明(2021年2月に復帰)

COP25開催の1ヶ月前である2019年11月には、アメリカがパリ協定からの離脱を表明し、世界的にニュースとなりました。当時の大統領であるトランプ氏は「アメリカの労働者にとって不利益である」として正式に離脱表明を行っています。

ただしその後、大統領に就任したバイデン氏によって、2021年2月、アメリカはパリ協定に正式に復帰しました。COP25においては、アメリカの存在感の薄さが消極的なムードを生み出してしまいましたが、復帰によって地球温暖化対策が加速する流れが生まれています。

企業や自治体でも地球温暖化に向けた取り組みが進められている

地球環境を保護するアイデアの図

2019年12月から15日までの間、スペインのマドリードで開催された国連気候変動枠組条約締約国会議がCOP25です。実はそれまでのCOPでは最長の延長となったCOP25ですが、パリ協定6条(市場メカニズム)の運用ルールの合意には至りませんでした。

会議の外では、市民運動が盛んになったり、アメリカがパリ協定からの離脱を表明したりと、さまざまな出来事があったのも印象的です。ただし2021年2月にアメリカがパリ協定の復帰を正式に果たして以来、地球温暖化対策は世界で加速するムードになっています。

もちろん日本国内の取り組みも例外ではありません。「地球温暖化対策を行いたいものの、何からしたらいいかわからない」という企業や自治体のご担当者様は、ぜひe-dashへご相談ください。

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