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地球温暖化による平均気温の変化とは?気温の上昇がもたらす影響

地球温暖化による平均気温の上昇は加速しており、温室効果ガス排出量が非常に高い状態が続けば、2100年には、地球の平均気温は20世紀末に比べて2.6〜4.8℃上昇するともいわれています。
すでに近年、気温の上昇によって地球の環境バランスは崩壊しつつあり、大規模な自然災害が引き起こされ甚大な被害を及ぼすなどの影響がでています。また、今後はさらに急ピッチで食糧不足や国土の消滅、感染症の増加など、私たちの命に直結するような大きな影響が及ぶことも、さまざまなシーンで予想されているのです。
そこで今回は、地球温暖化による平均気温の変化と気温の上昇がもたらす影響について解説していきます。

地球温暖化によって平均気温は上昇している

地球温暖化によって世界中で平均気温が上昇しています。日本を例にしてみてみると、日本の平均気温は、1898年以降、100年あたり約1.2℃上昇しています。さらに、1990年以降は高温になる年も頻繁に現れています。

日本の気温の変化
出典元:気象庁ホームページ|日本の気候の変化

地球上でも、北半球の地球温暖化の気温の上昇率は大きいといわれていて、日本はその中緯度に位置します。そのため、世界と比べても日本の気温上昇が大きいこともわかっています。また、1日に100ミリ以上の雨が降る大雨の日数も増加傾向にあり、こちらも地球温暖化が影響しているのではないかと考えられています。
さらに、気温の上昇によって夜間の最低気温が25℃以上の熱帯夜や、1日の最高気温が35℃以上になる猛暑日が増えているにもかかわらず、1日の最低気温が0℃未満という冬日は減少しています。

2100年までの平均気温の予測

日差しの強い真夏の太陽

地球温暖化により現在も上昇し続けている地球の平均気温ですが、実質CO2排出ゼロを実現するシナリオでも、2021年〜2040年までの平均の気温上昇は1.5℃に達する可能性が報告されています。
さらに、2100年までに世界の平均気温が最大5.7℃上昇すると予測されており、予断を許さない状況です。
地球温暖化をくいとめ、気温の上昇を抑えるためには、エネルギーや産業などのあらゆるシーンでの温室効果ガスの大幅な削減対策が必要であり、実行が急務であることがわかります。

地球温暖化による気温の上昇がもたらす影響

先行き不透明な日本と世界イメージ

地球温暖化による気温の上昇は、気候の変化や海面の上昇はもちろん、災害の増加や生態系や農作物ヘの影響、さらには私達人間の健康への被害など、さまざまなシーンで多大な影響を及ぼします。
ここでは、地球温暖化による気温の上昇が日本にもたらす影響について、解説していきます。

気温の上昇による猛暑日や熱帯夜の増加

日本でも、気温の上昇によって夜間の最低気温が25℃以上の熱帯夜や、1日の最高気温が35℃以上になる猛暑日は、地球温暖化にともなって増加していくことが予想されています。
環境省・気象庁の報告によると、温室効果ガス濃度上昇の最悪のケースで地球温暖化が進めば、今世紀末の真夏日は現在と比べて平均52. 8日増加するとされています。
地域でみると、北日本日本海側で現在の約6倍に当たる48日、沖縄・奄美では現在の約2倍となる183日となることが予想されています。

海面の上昇

海洋は熱を吸収することで温暖化し、海水温が上昇します。それによって海面が膨張して、世界的に海面の水位が上昇しています。いったん海洋の変化が始まるとその状態は長期化し、気候に影響を及ぼすことが懸念されています。
日本近海の2021年までの約100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は+ 1.19℃。この上昇率は、世界の平均より大きくなっています。また、2100年には海面が60〜63cm上昇するとも予想されています。

災害の増加

地球温暖化が進むと、自然災害の発生頻度が増加する傾向があります。日本でも多大な被害をもたらす洪水などが度々発生しています。最近では日本各地で極端な大雨も増加傾向にありますが、これも地球温暖化の影響だといわれています。
さらに、近年増加傾向にあるのが台風です。地球温暖化の影響で非常に強い熱帯低気圧が増加するという予測もされています。大型の台風は高潮を発生させる原因ともなるため、今後、大規模な高潮被害が増えることも懸念されています。

生態系への影響

地球温暖化の進行は、地球上の生態系にも大きな影響を及ぼします。
日本でも近年、森に住むニホンジカやニホンザルなどの大型哺乳動物の分布域が拡大。野生動物による作物被害が多発し、人間の生活にも影響が生じています。
さらに、地球温暖化によって降水量が変化することで河川領域などの水位も変動します。大規模な洪水の発生などによって水質の悪化も懸念されていて、生物の生産性が低下することが推測されています。

農作物への影響

地球温暖化によって気温上昇が2~3℃を超えると、低緯度地域でも高緯度地域でも、穀物の生産性は低下傾向になると予測されています。
農林水産省農林水産技術会議の『地球温暖化が農林水産業に与える影響と対策』によると、日本でも東北以南での水稲収穫量が減少。肉用鶏の産肉量が西日本で15%以上減少する地域がでることや、100年後にはサンマの漁場が日本近海でほとんどなくなることなどを予測しています。
食糧自給率が低い日本で農作物にマイナスの影響が広がれば、食糧難をまねくことは避けられなくなるでしょう。

健康への影響

地球温暖化は人間の健康にも影響を及ぼします。環境省の『地球温暖化と感染症いま、何がわかっているのか?』の報告によると、地球温暖化によって異常気象の強度が増大するなどの影響が懸念されていて、死亡や負傷、生活の質の低下など、人間の健康にも影響を及ぼすおそれがあるといわれています。
また、媒介動物の生息域や活動の拡大によって、マラリアやデング熱といった動物媒介性感染症が増加するともいわれています。
そのほかにもさまざまな障害や各種感染症のリスクが増大すると懸念されています。

地球温暖化の進行を食い止めるには企業や自治体の取り組みも重要

地球と緑写真

地球温暖化の進行はますます加速しており、このままいけば2100年には地球の平均気温が3.2℃上昇するとされています。
気温の上昇によって地球の環境バランスは崩壊し、その影響や被害によって人間の生活は成り立たなくなっていくことが、さまざまな観点から予想されています。
私たちひとりひとりの取り組みはもちろん、地球温暖化の進行を食い止めるには企業や自治体の取り組みも重要となってきます。
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