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脱炭素経営

トヨタのカーボンニュートラルへの取り組みとは?環境配慮の電気自動車

トヨタが行なっているカーボンニュートラルとは?

トヨタ自動車は、世界規模で環境保護を目的としたカーボンニュートラルの取り組みを行っています。

この記事では、トヨタ自動車が発表したカーボンニュートラルの事例について詳しく解説します。

『トヨタ環境チャレンジ2050』の宣言

『トヨタ環境チャレンジ2050』の宣言

世界的企業のトヨタ自動車は、環境への配慮から「トヨタ環境チャレンジ2050」を2015年10月に発表しました。

このチャレンジには、ゼロへのチャレンジとプラスへのチャレンジの2種類があり、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。
最初に、カーボンニュートラル実現のためのゼロへのチャレンジについて紹介します。

ゼロへの3つのチャレンジ

もっといいクルマ

一つ目に、トヨタ自動車は新車のCO2ゼロチャレンジの取り組みを行っています。

グローバル規模で販売される新車の平均走行時のCO2排出量を、2050年までに2010年を対象として90%削減する目標を掲げています。また、燃料多様化への対応として、ハイブリッド技術により電気自動車への展開が可能となるコア技術の開発を進めています。

他にも、水素社会の実現に向けて、米国や欧州でFCV(燃料電池自動車)である「MIRAI」の販売を開始しました。ライフサイクルCO2ゼロチャレンジでは、材料・部品・モノづくりを含めCO2の排出をゼロにする試みを掲げています。

もっといいモノづくり

二つ目に、工場からのCO2排出をゼロにする取り組みを行っています。

グローバル工場でのCO2排出を2050年にゼロにすることを目標として、低CO2生産技術の開発と導入、日常的な「カイゼン」により徹底したCO2削減に取り組んでいます。

今後の建設が予定される工場と生産ラインでは、生産1台あたりのCO2排出量を2001年比で2020年には約半減、2030年に約1/3への削減を目指しています。「トヨタ式カイゼン」として、工場のシンプル化・スリム化などエネルギーを使わずに加工や搬送を行う仕掛けの導入を世界で進めています。

いい町・いい社会

三つ目に、日本で培った「適正処理」やリサイクルの技術・システムのグローバル展開に向けて、2016年からプロジェクトを始めています。

・エコな素材を使う

・部品を長く使う

・リサイクル技術を開発

・使用済みの車から車をつくる上記の4本柱として資源の効率的な利用に取り組んでいます。

上記の4本柱として資源の効率的な利用に取り組んでいます。

プラスにするための3つのチャレンジ

水環境インパクト最小化チャレンジ

各国の地域事情に応じて、水の使用量の最小化へ取り組みや排水の管理を行っています。2030年のマイルストーンとして、水環境への影響が大きいと考えられる地域から優先的に対策を実施しています。水量では北米・アジア・南アフリカの優先工場を4拠点とし、水質では北米・アジア・南アフリカの優先工場として全22拠点としています。地域社会やサプライヤーとの積極的な対話を実施しています。

循環型社会・システム構築チャレンジ

2050年を目標に、日本で培った「適正処理」やリサイクルの技術、システムを通じてグローバル展開を目指しています。

2030年のマイルストーンとして、グローバルな仕組みを構築完了することにより、電池の回収から再資源化を行っています。廃車適正処理のモデル施設を設置することにより、30箇所の設置を完了することを目標としています。

人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ

トヨタ環境チャレンジ2050として、自然保全活動の輪を地域・世界とつなぐことで未来へつなぐために、2030年のマイルストーンとして、国内12カ所と他7カ所で自然と共生する工場の実現を目指しています。

カーボンニュートラルを達成するためのトヨタの取り組み

カーボンニュートラルを達成するためのトヨタの取り組み

トヨタ自動車は、2021年12月に今後のグローバル市場のおけるバッテリー電気自動車への販売やラインナップ戦略を発表しています。
その中でも、カーボン・リデュース・ビークルとカーボン・ニュートラル・ビークルの2つについて注目されています。

2030年までに世界市場でEVを30車種展開

現在、ガソリン車やハイブリッド車などの100種類以上の車種がグローバル市場において販売されています。

トヨタ自動車は日本市場やグローバル市場にEV車のラインナップがないことから、今後は「bZシリーズ」をはじめ各車種におけるEVグレードの設定を進めていくと考えられています。

「beyond ZERO」を意味するEV専用シリーズとして、既存モデルに「bZシリーズ」を増やし、2030年までにグローバル市場においてバッテリー電気自動車(BEV)を30車種を目標にラインナップすると発表しました。

2035年までに世界市場でEVに完全移行

今後bZシリーズの拡充を公表しており、bZ4Xを含む5車種を発表するだけでなく、SUVからセダンなどの車種からもラインナップされています。

bZ4Xはスバルとの共同開発されたSUV車種ですが、イギリス市場では価格の発表もしています。

高級車ブランドであるLEXUSブランドにおける戦略の取り組みでは、レクサスRZを発表しています。レクサスでは全カテゴリーにおいて2030年にバッテリー電気自動車のフルラインナップを目指し、2035年にはグローバル市場でバッテリー電気自動車を100%とする計画です。
レクサスのLFAを継承するスポーツカーにBEVで開発された車種が注目されています。

2050年に世界のトヨタ工場から排出されるCO2をゼロに

・工場のシンプル・スリム化

・エネルギー効率向上

・エネルギーを使わずに加工や搬送を行う仕掛けの導入

などの新技術の開発を行うことで世界の各工場への導入につなげています。

工場での水素利用を目指して、水素熱源として利用するための燃焼技術や燃料電池技術のノウハウを生かした発電技術などの水素エネルギー活用技術の開発を推進しています。

自社の生産用エネルギーとして利用することを目的として、工場に風力発電設備の設置をおこない、バイオマス・水力を利用することで再生可能エネルギーの利用をしています。

さらに2050年にはCO2排出ゼロを目標として環境性や地域性、経済性を踏まえて再生可能エネルギーや水素の活用を促進しています。

カーボンニュートラル実現への全方位戦略

カーボンニュートラルの実現に向けトヨタが宣言する全方位戦略

自動車メーカーの脱炭素投資が加速する中で、トヨタ自動車でも全方位的にカーボンニュートラルの実現に向けて動き始めており、電気自動車の世界販売台数目標を引き上げました。

EVラインナップの充実化

従来の目標では2030年までに水素燃料で走行する燃料電池車(FCV)と合わせて200万台というものでしたが、バッテリー電気自動車のグローバル販売台数を、年間で350万台を目標に掲げることを、2021年12月14日の「バッテリーEV戦略に関する説明会」に豊田社長が登壇して宣言しました。

350万台はトヨタの年間販売台数の3分の1にあたる規模となっており、2021年類型のEVの販売実績は1万5000台弱であることを考えると、大きな数字となっています。

全ての人たちが幸せに暮らし続けることを実現するために、電気自動車やFCVなども1つの選択肢として、多くの選択肢を準備する姿勢は崩していません。

燃料電池車の開発継続

トヨタ自動車は電気自動車だけではなく、燃料電池車の開発も継続しています。

ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車・電気自動車・燃料電池自動車という電動車のフルラインアップ化を推し進めることで地域事情に応じた選択肢を提供しています。

これらで培った燃費改善技術やエンジン技術、これらの複合技術の向上により開発と普及推進を行っています。

アメリカでは、物流トラックを投入し、貨物輸送オペレーションでの実証を進めるなど、水素利用の拡大を通じて世界における大気環境の改善に取り組んでいます。

様々なパートナーとともに、大気環境改善に向けた研究や取り組みを行っています。グローバル展開と合わせ、日本では商用車分野での電動化に向けて燃料電池トラックの導入など、各都道府県とインフラ連携した社会実装を進めて普及に向けた取り組みを加速させています。
商用車分野でも自動車産業と一枚岩となり輸送業の課題解決やCO2削減に貢献することになっています。

カーボンニュートラルが求められる背景

カーボンニュートラルが求められる背景

カーボンニュートラルの実現に向けて、世界中の企業にCO2を出さない・増やさないことが求められています。そのため、トヨタ自動車では実現に向けて、車や部品を作る工場や車が排出するCO2を減らして、ゼロにするために取り組んでいます。

地球温暖化による環境の変化

温室効果ガスが地球に悪影響を及ぼすことが問題となっていますが、温室効果ガスの中でもCO2が占める割合は全体の76%にも及ぶと言われています。

大気中の温室効果ガスは太陽光で暖められた地球上の熱を吸収し、地球の熱が宇宙に逃げるのを妨害することで、海面水位の上昇・動物や植物の生息域が変わる・豪雨が増加して洪水の影響が出る・食料安全保障のリスクになるなどの温暖化による影響が増えてくることが考えられます。

【日本】2020年10月に脱炭素社会の実現を宣言

2020年10月26日の菅内閣総理大臣の所信表明演説において、日本での脱炭素社会の実現に向けて宣言を出しています。カーボンニュートラル宣言は、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味しています。

これにより、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてプラスマイナスゼロにすることを目指して産業を変化させることとなりました。

電力分野・産業分野・運輸業など、様々な分野にも影響が出てくることが考えられるため、各企業や国・自治体の取り組みが始まっています。

【世界】2015年のパリ協定による採択

パリ協定は、2015年にパリにて開かれた気候変動問題に関する国際的な枠組みを指します。

国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)にて1997年に定められた京都議定書を元に、温室効果ガス削減に関する国際的な取り決めが合意されています。

世界55カ国が参加し、世界の総排出量のうち55%以上をカバーする国が批准しています。

2016年11月4日に発効され、世界各国の地球温暖化に対する関心の高さが伺えていました。その結果、パリ協定には主要な排出国を含む159カ国・地域が参加し、世界の温室効果ガス排出量の約86%をカバーする協定となりました。

そのほか、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑えるように努力することなどが長期目標となっています。

カーボンニュートラルを達成するための取り組み

カーボンニュートラルを達成するための方法

パリ協定の目標は、世界全体で2050年までに大気中に排出される温室効果ガスを実質的にゼロにする必要があると言われています。

そのため、人為的に排出されるCO2の量を森林などが吸収する量と均衡のとれた状態にする必要があります。

カーボンリサイクルへの取り組み

カーボンリサイクルとは、経済産業省が推進するCO2を炭素資源と捉えて再利用することを指しています。

大気中に排出されるはずのCO2を多岐にわたる素材や燃料として再利用することで、大気中への排出を減らそうという考え方です。

実際の事例では、ウレタンやコンクリートの製造にCO2を使用することやハウス栽培などで設備内のCO2濃度を高めることで生産性向上につながる研究がされています。

主な利用先として化学品・燃料・鉱物などが想定されていますが、CO2を利用するときにこの中には大量で安価なCO2フリー水素が必要となることがあります。

その生成にCO2が必要なことが問題となることもあります。

カーボン・オフセットへの取り組み

カーボン・オフセットとは日常生活や経済活動に置いてCO2等の温室効果ガスの排出を森林保護やクリーンエネルギー事業などで埋め合わせを行うことを指しています。

カーボンオフセットの中でも品質の高いクレジットへ誰もがアクセスできるようにしているのが、e-dashです。

e-dashとサンフランシスコを拠点とするPatchが提供するクレジットのマーケットプレイスを利用することで、日常や経済活動で温室効果ガスを排出していて削減困難である場合にはクレジットの購入で埋め合わせを行います。

森林保護や再生可能エネルギーへの投資を行うことでCO2の可視化から削減まで加速させていくことが可能となっています。

トヨタのカーボンニュートラルの取り組みに注目しよう

トヨタ自動車では2050年に向けて「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表しています。

カーボンニュートラルを実現させるために自動車メーカーとして技術向上などの目標を掲げています。京都議定書から始まり、パリ協定へと世界の環境保全は変化しています。

2020年には菅内閣総理大臣による表明もあり、日本国内でも注目度は上がっています。

カーボンリサイクルやカーボンオフセットを通して埋め合わせを行う環境も整備されてきており、e-dashなどの企業がマーケットプレイスを準備しています。

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