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サステナビリティ

EcoVadis(エコバディス)とは?概要・メリット・評価基準や日本企業の事例を紹介

EcoVadis(エコバディス)とは、企業のサステナビリティを評価する国際的なプラットフォームです。本記事では、EcoVadisの導入が求められる背景や評価の流れ・項目・基準、日本国内の企業への広がりについて解説します。また、脱炭素対応の視点から企業経営に活かす具体的な方法もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

EcoVadis(エコバディス)とは?

EcoVadis(エコバディス)とは?

出典:経済産業省「第4回サステナブルな企業価値創造に向けたサステナビリティ関連
データの効率的な収集と戦略的活用に関するWG

EcoVadis(エコバディス)とは、企業のサステナビリティやCSRの取り組みを国際基準で評価・可視化する、グローバルな評価プラットフォームです。企業やサプライチェーン全体の持続可能性の向上を目的に設立されました。

評価はクラウド上のプラットフォームを通じて行われ、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4つの分野から総合的に分析されます。

さらに、評価結果はオンライン上で共有され、取引先との比較や改善に活用できる点も特徴です。脱炭素を含むESG対応を進める企業にとって、国際的な共通指標として世界的に活用が広がっています。

Sedexとの違い

EcoVadis(エコバディス)企業の取り組みを第三者視点で評価・スコアリングし、成熟度を可視化して評価するもの
Sedexサプライチェーンにおける労働環境にリスクや問題がないかを調査・管理するもの

EcoVadis(エコバディス)とSedexの違いは、評価の目的とアプローチにあります。

イギリスに本部を置くSedexは、主にサプライチェーン上の人権侵害や労働問題などのリスクを洗い出すためのプラットフォームです。SAQ(自己評価質問票)で現状を把握し、必要に応じてSMETA監査(現場監査)を行うことで、現場に潜む潜在的なリスクを具体的に特定し、是正を促します。

一方、EcoVadisは企業のサステナビリティの取り組みをスコア化し、第三者の視点で総合評価する点が特徴です。Sedexがリスクの把握に長けているのに対し、EcoVadisは改善度合いや成熟度の可視化に適しています。脱炭素を含むESG対応では、目的に応じた使い分けが重要です。

EcoVadis(エコバディス)が評価するESGについて詳しくはこちら

EcoVadis(エコバディス)が注目される背景

EcoVadis(エコバディス)が注目される背景には、世界的なサステナブル調達の加速と、サプライヤー評価を強化する国際的な法規制の動きがあります。

欧州を中心に、サプライチェーン全体の人権・環境リスク管理を義務付ける法整備が加速するなか、多くのグローバル企業がその対応状況を測る客観的な尺度としてEcoVadisを導入しました。これにより、評価結果は取引継続や新規受注の可否を左右する、重要な判断基準となっています。

また、日本国内においても、ESGリスク管理や脱炭素への対応としてEcoVadisを導入する企業が増えています。大手企業だけでなく、その取引先である中小企業にとっても、国際競争力の維持や取引の透明性を証明するための不可欠な経営課題となっているのです。

EcoVadis(エコバディス)に取り組むメリット

サプライヤー企業のメリット
バイヤー企業のメリット

EcoVadis(エコバディス)を活用することで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではサプライヤー企業、バイヤー企業それぞれについて解説します。

サプライヤー企業のメリット

サプライヤー企業にとっての最大のメリットは、自社のサステナビリティへの取り組み状況を、取引先に共通して通用する評価指標として示せる点です。EcoVadis(エコバディス)の評価を通じて、環境や人権、倫理への取り組みを客観的に示せるため、取引先からの信頼向上につながります。

評価結果では自社の強みと改善すべき課題が明確になり、社内の課題整理や改善活動を進めやすくなるでしょう。継続的な見直しにより、脱炭素を含む環境対応やサステナビリティ対応の高度化を図ることも可能です。

企業が取り組むべきサステナビリティ経営について詳しくはこちら

バイヤー企業のメリット

バイヤー企業にとってのメリットは、多数のサプライヤーのESGやサステナビリティ状況を一元的に把握できる点です。EcoVadis(エコバディス)を活用すれば、調達先ごとのリスクを効率的に管理でき、個別対応の負担も軽減されます。

評価結果をもとにサステナブル調達を体系的に進められるため、規制対応やサプライチェーン全体のリスク管理強化に加え、企業としての信頼性向上にもつながります。

サプライチェーン全体のCSDDDについて詳しくはこちら

EcoVadis(エコバディス)の評価の流れ

EcoVadis(エコバディス)の評価の流れ

出典:経済産業省「第4回サステナブルな企業価値創造に向けたサステナビリティ関連
データの効率的な収集と戦略的活用に関するWG

EcoVadis(エコバディス)の評価は、登録から結果の確認、改善までの一連の流れを、すべてオンラインで行います。はじめに、企業情報を登録すると業種や規模に応じた質問票が提示され、サステナビリティに関する回答と証憑書類をオンライン上で提出します。

その後、専門家が公開情報も含めて内容を分析し、スコアカードとして評価結果を公開します。結果はプラットフォーム上で取引先と共有でき、改善点の把握や継続的な取り組みに活用可能です。

EcoVadis(エコバディス)の評価基準と方法

4つの評価基準
7つのマネジメント指標
スコアカード
Ecovadis(エコバディス)メダル・バッジ

企業の取り組みは、EcoVadis(エコバディス)を通し、環境や人権などの4つの評価基準と、それらに対する方針や結果を判断する7つのマネジメント指標によって評価されます。ここでは、評価基準やマネジメント指標、結果の表示方法について解説します。

4つの評価基準

EcoVadis(エコバディス)の評価基準は、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の4分野で構成されており、この中に21の評価項目が存在します。

企業は業種や規模に応じた質問票に回答し、提出資料をもとに専門家が分析を実施。評価は「方針」「実施対策」「結果」の観点からスコア化され、テーマ別および総合スコアとして示されます。

項目主な内容
環境温室効果ガス排出や資源管理
労働と人権労働安全衛生や人権尊重
倫理腐敗行為の防止
持続可能な資材調達サプライヤーの環境・社会面での取り組み

7つのマネジメント指標

EcoVadis(エコバディス)では、企業のサステナビリティ管理体制を7つのマネジメント指標で評価します。これらを4つの評価分野に横断的に適用し、総合スコアが算出されます。

項目主な内容
方針方針やコミットメントを示す
支持社内外での推進体制をみる
措置実行段階を問う
認証国際認証の取得状況を確認する
範囲施策の適用範囲を評価する
報告情報開示の質を測る
360°ウォッチ結果外部評価を反映する

スコアカード

EcoVadis(エコバディス)では、0〜100点の総合スコアと4分野別のスコアが記載された「スコアカード」で評価結果が提供されます。自社の強みや課題が可視化されるだけでなく、具体的な改善アクションのヒントも提示されるため、サステナビリティ施策を高度化するための実務的な指針として活用可能です。

EcoVadisメダル・バッジ

スコアカードによる評価結果をもとに、企業の相対的な位置づけを示す指標としてメダルおよびバッジが付与されます。

メダルは、全評価企業の中で自社が上位何%に位置するかという相対的な順位に基づいて付与されるもので、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4種類があります。

バッジは、EcoVadisが定める特定のスコア要件や改善要件を満たした企業に付与される評価区分です。メダルを獲得した企業はバッジの対象外となります。

メダルとバッジはいずれも、企業のサステナビリティへの取り組み状況を客観的に示す手段であり、自社の成熟度や改善の進捗を把握するための指標として活用されています。

環境評価で重要となるサプライチェーン排出量について詳しくはこちら

日本のEcoVadis(エコバディス)に関する取り組み

国による取り組み
企業による取り組み

日本国内においても、EcoVadis(エコバディス)が活用されています。ここで紹介する国や企業による取り組み事例を参考に、取り入れてみてください。

国による取り組み

日本では、サプライチェーン全体にわたるサステナビリティデータ収集の課題に対応する手段の一つとして、EcoVadis(エコバディス)が位置付けられています。

経済産業省の有識者ワーキンググループでは、Scope 3排出量や人権対応など、取引先からの一次データ取得が難しい現状が指摘されました。

その対応策として、算定ルールの標準化やデータ共有プラットフォームの活用が検討され、EcoVadisは人権・労働分野を中心に有効な仕組みと整理されています。政府はこうした外部評価の活用を通じ、効率的かつ戦略的なデータ活用を後押ししています。

企業による取り組み

日本企業でもEcoVadis(エコバディス)を通じて、サステナビリティ対応を強化する動きが進んでいます。

日本企業は従来からサステナビリティ・パフォーマンスで高い評価を受けており、2019年に日本支社であるエコバディス・ジャパン株式会社が設立されたことで、国内での活用も一段と広がりました。

現在では大企業に限らず、中堅・中小企業も評価に参加し、プラチナやゴールドなどのメダルを獲得しています。こうした第三者評価の活用が、取引先からの信頼向上や脱炭素対応の後押しにつながっています。

【企業による取り組み事例】

≪富士フィルムビジネスイノベーション株式会社≫
2025年時点で対象企業の上位1%である「プラチナ」を獲得。環境分野では100点満点中90点以上を毎年継続して獲得。

≪オカムラグループ≫
2021年時点で「シルバー」を獲得。2022年から2025年にかけて4年連続で対象企業の上位5%である「ゴールド」を獲得。

≪日本精化株式会社≫
持続可能な社会の実現を目指すSDGsを推進し、2025年時点で「シルバー」を獲得。

≪キャノングループ≫
2015年から7回「ゴールド」評価を取得。サステナビリティ活動への継続的な取り組みにより2025年には対象企業の上位1%である「プラチナ」評価を獲得。

≪トビー工業≫
2025年時点で、6年連続で対象企業の上位5%である「ゴールド」評価を獲得。

今後のEcoVadis(エコバディス)活用の広がり

今後のEcoVadis(エコバディス)活用の広がり

出典:経済産業省「第4回サステナブルな企業価値創造に向けたサステナビリティ関連
データの効率的な収集と戦略的活用に関するWG

EcoVadis(エコバディス)は、企業のサステナビリティ対応を客観的に示す手段として、今後さらに重要性を高めていくと考えられます。

経済産業省は、サステナビリティ関連データの効率的な収集と戦略的活用を政策として推進しており、企業側はESG情報の整備と開示が求められているのが現状です。こうした流れのなか、第三者評価として開示や報告義務への対応を支援するEcoVadisへの期待は小さくありません。

脱炭素や人権対応を含む経営基盤の強化において、共通指標としての役割も拡大していくでしょう。

日本におけるサステナビリティ開示基準の最新動向について詳しくはこちら

EcoVadis(エコバディス)に関するよくある質問

Q.EcoVadis評価の結果はどのような影響がある?
Q.EcoVadis評価を社内でどのように活用できる?
Q.EcoVadisの評価結果は他社へどのように共有される?

EcoVadis(エコバディス)についての情報を得るなかで、さらなる疑問が生じる方も多いでしょう。ここでは、よくある質問について回答を分かりやすくまとめています。

Q.EcoVadis評価の結果はどのような影響がある?

A.EcoVadisの評価結果は、自社のサステナビリティへの取り組みを取引先や顧客に客観的に示す指標となります。評価は、サプライヤー選定や取引継続の判断材料として活用されることが多く、結果次第で信頼性向上や新規取引機会の創出につながる可能性も高いです。

Q.EcoVadis評価を社内でどのように活用できる?

A.EcoVadis評価は、自社のサステナビリティの強みと課題を可視化する指標として社内で活用できます。評価結果やスコアカードを基に、部門横断で改善点を共有し、環境対応や人権配慮、調達方針の見直しなど具体的な施策検討に役立てることが可能です。

Q.EcoVadisの評価結果は他社へどのように共有される?

A.EcoVadisの評価結果は、スコアカードを通じてオンライン上で安全に共有されます。取引先から招待を受けて評価した場合は自動的に共有され、任意の企業に対しても利用範囲を指定して開示可能です。

サステナブル調達時代におけるEcoVadis(エコバディス)活用の意義

サステナブル調達時代において、EcoVadis(エコバディス)は、企業が脱炭素を含むサステナビリティ課題に体系的に向き合うための有効な手段です。評価を通じて自社の強みや改善点を可視化でき、取引先や投資家からの信頼向上にもつながります。

単なる評価取得にとどまらず、経営の持続可能性を高める実践として位置づけることが重要です。国際的な調達要件への対応や情報開示の観点からも、今後ますます戦略的な活用が求められるでしょう。

弊社の「e-dash」は、「脱炭素を加速する」をミッションに、クラウドサービスと伴走型のコンサルティングサービスを組み合わせ、EcoVadisの回答支援やスコアアップ支援を行っています。「どこから着手すべきか分からない」「評価結果を次の改善につなげたい」といった課題をお持ちの場合は、ぜひe-dashにご相談ください。

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