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気候変動の原因と対策。世界が受けている影響やリスクとは?

現在、気候変動による地球環境の変化は世界的に大きな問題となっています。気候変動とは何によって起こり、どうしたら抑制できるのでしょうか。実は気候変動や地球温暖化には、私たち一人ひとりの行動も大きく影響しています。

ここでは、気候変動の原因や影響、世界で何が起こっているのか、そして気候変動の解決策、日頃から私たちができる対策について詳しく紹介します。

気候変動とは?

気候変動 雷

気候変動とは、従来地球が繰り返してきた気象のサイクルや地球の気温に起きている、大きな変化を指します。

地球の気候や気温は、長期的にみれば太陽の活動周期などの自然現象を原因として緩やかに変化しています。ところが1800年代以降は自然現象ではなく、人類の活動が原因で気温が上昇し、気候が変動しているのが現状です。

具体的な気候変動の原因として、化石燃料を燃やすことによって生じる温室効果ガスが挙げられます。太陽の熱を閉じ込める効果を持つ温室効果ガスは、現在ここ200万年で最も量が増えています。

気候変動によって私たちが受けるリスク

自然災害 土砂崩れ

気候変動は、私たちにとって大きなリスクを伴う問題で、健康、食糧生産、住まい、安全、仕事などすべての面に影響が及びます。とりわけ小島嶼国や開発途上国では気候変動による影響を受けやすく、すでに大きなダメージを負っている国もあります。

一例を挙げると、海面の上昇によって移住を余儀なくされている人たちがいます。気候変動によって、2010年までの約100年で海面は19cm上昇しました。海抜の低い都市では高潮によって潮水が街に侵入し、作物が育たない、飲み水が塩水になってしまう等の影響から、コミュニティー全体の移転も行われています。このほかにも、アフリカなどで干ばつが深刻化し、2022年4月には1,000万人もの子どもが飢餓や栄養不良に苦しむなど、すでに大きな影響が出ていることが報告されました。今後はこうした「気候難民」は増える一方だと考えられています。

既に気候変動によって起こっている問題

氷河

気候変動の影響は地球全体に及んでいますが、日本でもさまざまな影響が現れています。気候変動による影響や問題を、具体的にいくつかご紹介します。

気温の上昇

気候変動の結果であり、かつ最も根本的な問題となっているのが、気温の上昇です。世界の気温は、2010年までの約100年で平均して0.75度上昇しました。わずかな変動に見えますが、このまま何も対策をしなかった場合は変化が加速し、2100年までに最大5.7度の上昇が予測されています。

気温の上昇は世界的な現象として現れており、夏冬問わず暑くなってきています。

北極の海の氷の減少

北極では気温の上昇にともなって氷が溶けてきていることが確認されており、1979年以降、平均して8.9万平方キロメートル/年の減少が続いています。これは北海道に匹敵する面積で、わかりやすく言えば、毎年北海道1つ分の氷が溶けているということです。

氷の減少によってホッキョクグマ等の生態系にも影響が出ており、今後もさらに変化が大きくなると予想されます。

世界中で起こっている自然災害

気候変動によって、世界中で大きな台風、洪水などが起こっています。先ほど少し触れた干ばつも、異常気象のひとつです。こうした異常気象が今、世界中で気候災害を引き起こしています。

気候変動を原因とする災害は、2000年から2020年までの間に82%も増加しました。近年日本でも、ゲリラ豪雨、大規模な台風による風水害が増えています。自然災害は、先進国・途上国問わず安全を脅かす問題です。このような異常気象の大きな原因が、地球温暖化の進行であると考えられています。

気候変動の解決策はある?

風力発電 太陽光発電 太陽光パネル

先述したとおり、気候変動の原因の一つは地球温暖化です。地球温暖化は、冒頭でも触れたような温室効果ガス、主に二酸化炭素の排出量の増加によって引き起こされています。二酸化炭素は経済活動だけでなく一人ひとりの生活によっても多く排出されるため、個々が二酸化炭素の排出量を削減する取り組みが重要です。

二酸化炭素の排出量削減は世界でも幅広く行われています。2015年、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)で合意された「パリ協定」においては、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べ1.5度に抑える努力をすること、21世紀後半には温室効果ガス排出実質ゼロを目指すことなどが定められました。

温室効果ガス「実質ゼロ」とは?

温室効果ガス「実質ゼロ」とは、温室効果ガスの排出量を、森林などが持つ温室効果ガスの吸収量と同等にまで減らし、全体でプラスマイナスゼロにするという考え方です。

多くの分野では、二酸化炭素排出量をゼロにする技術がすでに存在しており、自然エネルギーを利用すると、これらの技術はほぼすべての分野に応用できると考えられています。例えば、家庭用や工業用の電力供給には太陽光発電や風力発電を利用したり、自動車などの動力を水素にすることで、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることが可能です。

しかし、航空産業や農業などの分野では、現時点で技術的に排出量ゼロを目指すことが難しく、引き続き温室効果ガスが発生する燃料の使用が続く背景があります。排出された二酸化炭素は、森林や海洋などによる吸収量と同等以下にすることで、実質ゼロを実現できます。結果的に地球上の二酸化炭素の総量を増やさないことで温暖化を抑制する考え方です。

自然エネルギー100%が必要とされる理由

自然エネルギー100%による発電は温室効果ガスを排出しないことから、温室効果ガスを減少させるために必要とされています。

現在の日本における発電は、石油や石炭などの化石燃料に大きく依存しています。2019年のデータでは天然ガスが37.1%と最も多く、次いで石炭31.9%、石油等が6.8%、原子力は6.2%です。これに対して自然エネルギーを利用した発電は、水力7.8%、水力を除く再生可能エネルギーによる発電は10.3%です。

自然エネルギーは今、パリ協定の目標を達成することができる、安全かつ信頼性が高く、最も費用対効果の高い方法として注目を浴びています。また日本のエネルギー自給率を高めるためにも、枯渇しない資源である自然エネルギーは重要です。

世界の多くの国で、自然エネルギーはすでに主要なエネルギーとして位置付けられています。現在、消費電力の100%を自然エネルギーでまかなうことを目標としている都市は地球上に600以上ありますが、このうち2020年末までに目標を達成した都市はアメリカを中心に125以上にのぼります。

日本でも2050年までに自然エネルギーへの移行を進め、二酸化炭素の排出量実質ゼロを目標として掲げています。今から対策を始めることで、2050年までに目標を達成することも実現可能です。

気候変動対策に貢献する科学技術

気候変動対策として多くの科学技術的取り組みがされていますが、まずは気候変動の緩和策として、再生可能エネルギーの利用が進められています。再生可能エネルギーとは化石燃料に頼らず温室効果ガスを排出しないエネルギーのことで、太陽光発電、水力発電、地熱発電、海洋発電、風力、バイオといった方法があります。

これらの再生可能エネルギーを実際に導入するのが、「再生可能エネルギー導入のためのエネルギー需要制御・供給技術」の数々です。天候不良時、災害時にもエネルギーを安定して供給するための技術革新が進められています。

再生可能エネルギーは二酸化炭素の排出量を減らす発想ですが、すでにある二酸化炭素を使ってオレフィン(プラスチックなどの原材料)を合成する取り組みも行われています。これは人工光合成と呼ばれる技術です。このほか、植物等が自然界でもっている光合成を最大化させる生物学的な取り組みなどが二酸化炭素変換技術と呼ばれます。

また、核融合炉や宇宙太陽光によるものなど、温室効果ガスを排出しない次世代エネルギーの活用に向けた研究も進められています。

近年は、科学技術的な取り組みで気候変動に適応する動きも出ています。IoT技術の発達を受けて進むのが、海中、山中などにさまざまなセンサーが設置され、天候の変化や被災をよりリアルタイムかつ正確に予測する技術の開発です。

同時に、長期的な地球環境の未来予測も行われています。いずれのケースも台風や雷雨を予測・制御し環境保全に努めることで、気候変動による被害と気候変動の進行をより小さく留める試みです。

日頃からできるエコな行動で対策

エコを意識した行動を取ることで、気候変動への対策になります。普段の生活よりも、二酸化炭素の削減を意識することが重要です。

近所への外出時は車の使用を極力減らして徒歩や自転車で移動することや、マイバッグの持参も効果的です。ゴミを出すときは、全体量を減らすと同時に生ゴミなどの水分は切ってから袋に入れるようにすると、燃焼時の二酸化炭素の排出量を減らすことができます。

少しの工夫で地球環境に配慮した生活を送ることができるので、日常的に、二酸化炭素の排出量を減らす行動が重要です。

身近な取り組みから、気候変動は抑えられる

節電

気候変動を抑えるには、大企業のエネルギー切り替えや、政府による大規模な政策が期待されます。しかし、2019年の統計によれば、家庭からの二酸化炭素の排出量は全体の約14.4%に及んでおり、こちらも大幅に減らす必要があります。

私たちが身近な取り組みを行うことで気候変動を抑えられる可能性も高まることを忘れず、日々の生活で二酸化炭素が排出されない方法、行動を選ぶことも重要です。

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