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太陽光発電を企業が導入するメリットとは?デメリットも含めて解説

再生可能エネルギーへの取り組みは世界規模で関心が高く、日本でも企業の迅速な対応が求められています。
日本でも太陽光発電の導入が促進されており、国や都道府県からの補助金や税制での優遇措置があるなど、企業として導入に着手しやすい環境が整いつつあります。また、再生可能エネルギーへの配慮や取り組みは、今後企業そのものの価値ともなっていく大切な先行投資だともいえます。
今回は、太陽光発電を企業が導入する際に知っておきたいメリットとデメリットについて解説していきます。

企業が太陽光発電を導入するメリット

太陽光発電写真

企業が太陽光発電を導入すると、事業活動に必要な消費電力を自前で調達でき、その電力を売電できるだけではなく、さまざまなメリットがあります。
世界的に注目が高まる再生可能エネルギーへの取り組みに着手することで社会的イメージを向上させ、投資家へのアピールも可能となります。ここでは、そのメリットについて解説していきます。

電気代を削減できる

 
企業が自社で太陽光発電を導入すると、電気代を削減することができます。
太陽光発電を導入することで、事業活動に必要な消費電力を自前で調達できるのも大きなメリットですが、電力会社から購入する電力量を減らすことができるため、電気代の大幅な削減が実現できます。
近年上昇傾向にあり、今後も高騰が予想される電気代は、事業活動にも大きな影響を及ぼします。太陽光発電を導入しておけば、自前の発電電力を使用できますので、電気代高騰の影響を受ける心配もなくなります。

売電収入を得ることができる

2011年に成立し、2012年から施行されている「再生可能エネルギー特別措置法」によって、再生可能エネルギーで発電した電気は売電が可能となっています。
再生可能エネルギーの普及をはかるために国が行なっているFIT(固定価格買取制度)を使えば、企業だと20年間同じ価格で、電力会社に売電することができます。
国の調達価格は毎年変更されますが、事業用太陽光発電の2023年の調達価格は、入札制度対象外の50kW以上で9.5円/kWh、10〜50kwで10円/kWhとなっています。

再生可能エネルギーのなかでは導入コストが低い

太陽光発電の導入にかかるコストは、小規模な設備なら10万円〜数百万円ほどとなっています。さらに、ほかの再生可能エネルギーと比べて、同じ量の電気を作るコストが安いというのも大きなポイントです。

節税効果が期待できる

企業が太陽光発電を導入する場合、「中小企業経営強化税制」や「中小企業投資促進税制」「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」などを受けることで節税効果が期待できます。
企業が受けられるメリットは、例えば、設備費用の全額を初年度で一括償却できたり、設備費用の最大10%の税額控除が受けられたり、対象施設の固定資産税が最大3年免除になるというもの。その他にも、環境保全に関わる法制度や税制面、助成制度などでの優遇措置があります。

補助金を利用できる

企業が太陽光発電を導入する際には、国や都道府県からの補助金が利用できるのもメリットのひとつです。
ただし、補助金を受けるためには公募期間内に申請をする必要があります。2023年度以降の補助金を利用する場合は、経済産業省や環境省、各都道府県のウェブサイトを確認してください。
2023年実施予定の補助金の例としては、経済産業省の「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」、環境省の「ストレージバリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」や「新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」などです。

制約が少なく導入のハードルが低い

太陽光発電を導入する場合、設置場所の制限や制約が比較的少ないこともメリットのひとつです。太陽光発電は日当たりを確保できれば設置条件を満たしており、ソーラーパネルの枚数を調整することで、設置するのに必要な面積も細かく調整することができます。
そのため事業所などの屋根の上や敷地内で使用していない場所などを活用してソーラーパネルを設置したり、駐車場を活用してソーラーカーポートを導入したりすることができます。

企業好感度の向上につながる

自然環境の保全への取り組みへの注目が高まっている時代の流れによって、企業として社会的責任を果たしている会社への評価は高く、企業好感度にも影響を及ぼします。
太陽光発電を導入し、再生可能エネルギーによって電力の自給率を高める取り組みは、社会から高く評価され、企業好感度の向上に繋がるというメリットをもたらしてくれます。

ESG投資につながる

ESG投資とは、欧米を中心に広く浸透している投資のことで、環境や社会、企業統治などに配慮している企業を重視し選別して投資を行なうことです。ESG評価が高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性などに優れた企業性があると投資家から認識されます。
他にも、地方銀行などを中心に、SDGsに取り組む企業や法人に向けた融資プランなども増加しています。太陽光発電の導入をきっかけに、これらを利用して有利な条件で資金調達が行なえるようになるというメリットもあるでしょう。

非常用電源として活用できる

太陽光発電を導入し、再生エネルギーで電力をまかなえるようになると、蓄電池と併用することで昼夜を問わず電力の確保が行なえます。
昨今の社会情勢に影響を受け電力の価格は上昇しており、安定供給体制にも揺らぎが生じています。さらに、災害や計画停電などによっても電力の供給はストップします。
そのような場合も、太陽光発電を導入していれば、非常用電源を活用することで企業活動を全停止するような事態を防ぐことができます。

企業が太陽光発電を導入するデメリット

コストイメージ

企業が太陽光発電を導入する場合、デメリットも考えておく必要があるでしょう。しかしながら、導入前に知っておけばトラブルを未然に防ぐことができ、せっかく太陽光発電を導入したのに満足な結果が得られないなどという事態も回避できます。
ここでは、太陽光発電を導入する場合のデメリットについて解説していきます。

発電量が天候や時間に左右される

企業が太陽光発電を導入するデメリットとして、天候や時間に左右されるということがあります。太陽光発電で24時間いつでも常に安定した電力を供給するということは、実は難しいのです。曇りや雨など、太陽がでていない天候の時には発電量は落ちます。また、夜の時間帯も太陽がでていませんので、もちろん発電量は低下してしまいます。
しかし、このデメリットは蓄電池を併用することで解消できます。蓄電池に天候の良い日や日中の電気を貯めておくことで、発電量が低下した状況下でも対応することができます。

導入の費用やランニングコストが必要

太陽光発電を導入する場合、導入費用やランニングコストが発生する点も、しっかりと把握しておく必要があるでしょう。
太陽光発電はほかの再生可能エネルギーと比べると、導入コストが比較的安いといわれていますが、規模の大きな施設や工場などに太陽光パネルを設置するとなると、数千万単位で資金が必要になってきます。
さらに、太陽光発電システムを長期的に安定して稼働させるためにはランニングコストがかかります。定期的なメンテナンスはもちろん、パワーコンディショナーなどの機器の交換費用も必要です。
導入費用に関しては、補助金などを利用することも可能ですので、太陽光発電の導入を検討する際は、あらかじめ確認をしておきましょう。

屋根に負担がかかる

企業が太陽光発電を導入するとなった場合、事業所や自社施設などに太陽光パネルを設置する必要がありますが、これによって屋根などに負荷がかかることも、デメリットのひとつといえるでしょう。
太陽光パネルの重さは1枚あたり約15〜20kgほど。1平方メートル換算で13〜17kgの負荷となります。これを建物の屋根や屋上に設置するとかなりの負荷となってしまうのです。そのため、建物や屋根の老朽具合によっては、太陽光パネルの設置ができないというケースもあります。
場所によっては地上に設置するという方法もありますが、導入を検討するさいはまず、太陽光パネルの設置が可能かどうかを調べておきましょう。

反射光によるトラブルが起きる可能性がある

太陽光パネルからの反射光でトラブルが発生する場合があることも、デメリットのひとつとして認識しておく必要があるでしょう。太陽光パネルの設置場所やその角度などによっては、周辺の建物などに強い反射光を浴びせることになってしまいかねません。
周辺住民とのトラブルが発生するきっかけを生み出してしまわないためにも、太陽光パネルを設置する前には入念なシミュレーションを行い、周辺環境への配慮を怠らないようにしましょう。

太陽光発電のメリット・デメリットを理解しよう

青空とアースボール写真

世界的にも環境保全の取り組みは急ピッチで広がっています。日本でも、企業としての環境への配慮や取り組みは社会から求められており、今後はその取り組みへの姿勢や実績こそが企業価値ともなり得ます。
企業としてのメリットとデメリットをしっかり把握しながら、太陽光発電の導入を検討しましょう。
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